村人達は彼を恐れ、口々に言いました。夜は外へ出てはいけない、決して森に近づいてはいけないと。


 それでも、その歌に抗うことはできず――また一人、また一人と、森へと消えていくのです。


 そんな人々が彼には可笑しく、同時につまらなくもありました。誰も彼自身を見ようとはしない、その事実が。


 この姿、この歌のためだけに自ら進んで命を落とす。――ああ、人とはなんと愚かなモノだろう。


 ある夜のこと。その日もまた、彼は歌いました。湖のほとりで、竪琴を弾きながら。