あれから三日に一度、少女は彼のもとへ訪れました。それはいつしか一日おきに、そして最終的には毎夜、毎夜。


 逢う度に想いは募り、いつしか二人は愛し合うようになりました。


 月が天高く昇る時、深い深い森の中、湖のほとり。二人だけの約束の地で、幾度も逢瀬を重ねました。


 二人は幸せでした。彼は完璧を手に入れていたにも関わらず、どこかに潜んでいた虚しさが、すべて満たされた気分でした。


 ――幸せは、そう長くは続きませんでした。二人共忘れていたのです。彼は妖精であり、少女は人間であるということを。