妖(アヤカシ)の気にあてられないように、集中して進む。






ゆっくりと鳥居をくぐった時







「ぅ…わっ…!!!」






突然、辺りが真っ白になった。






あるのはただ、壊れかけていたはずの社。




なのに…目の前の社はまるで綺麗。




傷一つなく、しっかりと建っている。





バッと後ろを振り返ると





「…えっ!!!???」







今まできた道がない。






くぐったはずの鳥居も…ない。








本当に全てが真っ白。








「颯悸…」






「…大丈夫だ。」





そうは言っているけど、颯悸にも少し動揺が見える。





あたし達はただ、何も言わずに社へと近づいた。