だんだん辺りも薄暗くなってきた。
ふと時計を見ると、7時半。
「もうそろそろか…?」
そう、颯悸が呟いた時。
『う゛…ぅぅ…………』
低い低い声が聞こえた。
「颯悸!!!!!」
バッと隣に立っている颯悸を見上げる。
「あぁ…!!
…来たみたいだな!!」
笑って言ってるけど、額には汗がつたってる。
『ぅっ………ぅう゛ぅ………』
あたしなんて笑う余裕すらない。
こんな立っているだけでやっとみたいな、邪悪な気…
余程の怨みを持っているんだろう。
気を抜けば、こちらがこの真っ黒い気にやられかねない。
「…大丈夫か?」
颯悸が静かに尋ねる。
「…大丈夫。あんたは?」
「……余裕。」
フッと笑って言う颯悸。
こういう時は本当に心強い。
頭は悪いけど…
力や技術なら、颯悸の方が上だから。
颯悸が大丈夫なら、何だって出来そうな気がするんだ。
「鴇葉!!!行くぞ!!!」
あたしは颯悸の後に続いて、神社の中へ進んだ。