「あのペンダントも……兄貴から?」

藤沢は少し黙って、小さく頷き、そして。


「私と神崎先生は……ううん。何でもない」


何だよ。
私と神崎先生は……なんだよ。

俺の知らない兄貴を藤沢は知っている。
教えてくれ。


「なんだよ?俺、何聞いても驚かないから」

「……神崎君は弟さんだもんね……」


意味不明な事を言って、また俺を見て言った。



「神崎先生と私は、付き合っていたの」



なんとなく、あのペンダントの事があって予想はしていたから、あまり驚きはない。

けど。

何とも言えない感情が俺の中で熱く燃え上がった。



藤沢が、兄貴の彼女。