俺はパンを買った後、屋上に足を向けた。


――ギィィィ。

屋上には、数名の生徒がいて、あちこちで昼休みを迎えていた。

俺はいくつもあるベンチに寝転がり、パンを頬張る。


……ハァ、なんかまだモヤモヤするんだけど。

俺はふと、目線を横に向ける。



俺の3つ離れたベンチに、藤沢が座っていた。



俺は、とっさに起き上がる。


「藤沢……」


俺自身では小さい声で言ったつもりだったんだけど、すぐその声に藤沢は反応して、俺を見た。


「あ……神崎君」


藤沢は、広げていた弁当箱を急いで片づけ、俺に近づいてきた。


うそ……こっち来る。
どうする?俺。

考えてる暇もなく、藤沢は俺の近くまでやってきた。