「っるか……?」


 変わる声色。離れる手。急に取り込まれる酸素に、思わず咳き込む私を椿君はきつく抱き寄せる。どうしたの、そんなに、震えて。


「ごめっ……俺は、こんな風にしたいんじゃなくて、」


「椿君……?」


「違うんだ、ごめん、ごめん瑠花……っ」


 泣きそうな声で、ううん、目に涙を浮かべながら椿君は謝り続ける。椿君が謝らなきゃならないことなんて何もないのに。


「ごめん……っお願いだから、嫌いにならないで。瑠花……、」