「急に来てごめんね、椿君出かけるとこだった? 部屋着じゃないし」 「ああ、ちょっとそこのコンビニ行こうと思ってさ。本当タイミング悪いよお前」 「っうぁ……っ!」 頬を叩かれ、その勢いのまま床に倒れ込む。椅子にぶつけて頭はくらくらするし、今度はお腹を蹴られて息が詰まる。 でも倒れたのは絨毯の上だし、叩かれたのは痛そうな金属のついた財布を持つ右手ではなく、何も持たない左手だったしね。やっぱり椿君は優しい。