「あれ、瑠花。お前今日胡桃と会うとか言ってなかった?」


「そうなんだけど、胡桃は帰っちゃった。なんか怒らせちゃったみたい」


「ふぅん。上がってく?」


「うん、お邪魔します」


 椿君に通されて入る三日ぶりの空間。ふわりと香る、彼の吸う煙草の匂いにほっとする。うん、やっぱりすごく落ち着く。


 でも来てよかったのかな。先にドアが開いたってことは、きっと椿君出かけるつもりだったんだよね?