椿君とられるのが嫌なんでしょ。胡桃ってばいつまで経ってもブラコンなんだもん、そろそろお兄ちゃん離れしてよね。


 半分冗談のつもりで言ったのだけど、今度こそ本当に胡桃を怒らせてしまったみたい。もうどうなっても知らないから、そう言い捨てて私を置いて立ち去ってしまった。


 追いかけてみたけど、ついてこないで、だって。そんなに気に障ることだったかな。案外図星だったのかも。


 でもごめんね、いくら胡桃でも椿君は渡せないよ。椿君と一緒にいられて、私はどうしようもないくらい幸せなんだから。