「・・・ハルが結婚するとはな」
「なにそれ。あたしだって結婚するよ」
膨れた顔をする。
久しぶりに見た顔だ。
そんなハルを見て、ついつい笑ってしまう。
「・・・笑わないでよ」
「クックックッ・・・お前は変わらないな」
つい、いつもの様にハルの頭を撫でようとした。
しかし、その手を止めた。
「宏太?」
ハルが空中に止まっている微妙な手を不思議な顔をして見る。
「もう時間だし、行くわ」
このままここにいたらダメだ。
「うん。来てくれてありがとね」
「・・・おう」
お袋をおいて、控室を出てすぐさま、外に出た。
「ハァ・・・キレイすぎだろ」
真っ白なドレスに笑顔なハル。
ドレスが似合いすぎて、
笑顔が可愛いすぎて、
そんなハルにしてくれたあいつに嫉妬した。
「宏太」
後ろから声がして振り返った。
「お前なにしてんの?もうすぐで始まるぞ」
真っ白なタキシードを着て笑顔で言う信。
「・・・あぁ」
「宏太・・・俺、ぜってぇハルのこと幸せにするから」
「・・・お前主役だろ?早く行けよ」
早く行ってくれ。じゃないと俺・・・・
「あぁ・・・」
お前を殴りたくなるから。