『おい静!』
その時…後ろからそう言って現れたのは、今話題になっていたばかりの圭だった。
もしかして……
今の話…聞かれてた?
一瞬で心臓がバクバク音を立てて早くなっていく。
『なっ、何?』
慌ててそう答えたあたしに、圭はいつもと変わらない顔で、言った。
『朝話してたテレビ、録画してるから見に来る?慎も来るけど』
『えっ!?い…かない。行くわけないじゃん』
『あっそ。じゃあな〜。お前歩くの遅いから先帰るぞ』
『はいはい、バイバイ!』
歩いていく圭の後ろ姿を見ながら、
もしかして本当に…遥の言ったとおり……
なんてちょっと考えている自分がいた。