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“好きだッ!!”と抱きつかれた直後。

私は。



“キモいッ!!最悪ッ!!”



そう叫んで。

力任せに殴った。

平手打ちじゃなくて“グー”で。



先輩は。

油断していたせいか。

その場に倒れた。



私は。

その場から走り去った。



同じ学校だってのはわかるんだけど。

それ以来先輩を見かけるコトはなかった。

……その先輩の名前は……。







「……初恋だったんだ。
今でも、忘れられない……」



島崎先生が弱々しく言葉を紡ぐ。



「あの時も、こうやって殴られた。
…今度こそ、と思ったんだ。
変わったつもりでいても。
全然変わってなかったのかな…」



寂しそうに島崎先生が微笑んだ。



『…島崎先生が、あの先輩…』



また背筋がゾクゾクした。