ピシッ。



オデコに痛みが走った。



『…ッ?!』



え?!

なに?!



目をつむっていたせいか。

何が起こったのかイマイチ理解できない。



軽い痛みを覚えたオデコを押さえながら。

恐る恐る目を開いた。





「……バァ〜カ」





目の前に迫っていたはずの涼真の顔は。

やっぱり目の前にあったケド。

さっきまでの知らない涼真じゃなくて。

いつもと同じ。

呆れたような顔をした涼真がいた。





呆れたような顔をしてたかと思ったら。

傷つきました、みたいな顔して涼真が言った。



「キスしようとしてんのに。
他の男の名前呼ぶヤツがどこにいんだよ」