『…サクランボの茎を舌で結べるとキスがうまいんだって』



涼真が食べたサクランボ。

今は無惨にも種と茎だけになってしまってるケド。



「…俺、結べねぇし」



涼真は自分が食べたサクランボの茎に視線をやった。



『…じゃあ、ヘタなの?』

「知るか、そんなの」

『結べなくてもうまいとか?』

「知らねぇよ」



口調はいつもと変わらないケド。

頬がほんのり赤くなったように感じた。



…涼真って。

こんなコトで赤くなっちゃうんだ。

こんな涼真めったにみれないし。

日頃のお返しだ。



……もっといじめてやれ……プププッ。



私の心に悪魔の囁きが響いたトキ。

涼真が眉間にシワを寄せて目を細めた。