「今日陵君は?」


ママが私に追い討ちをかける



「なんか用事あるって」



「執事のくせに


役にたたないわね!」


「…ほんとに」




せっかく忘れようとしてたのに




ごちそうでも食べて
立て直してこよう



私はそう決心すると
一礼してママと瀬川君の
そばから去る



私はお皿にのった大量の
ごちそうを頬張ってるいると




瀬川君が息を切らして
走ってくる



「どうしたの…?」



私が聞くと、瀬川君が
答える



「なんかおばあちゃん達に
追いかけられて…



うわ!!

また来た!!!」



そういって瀬川くんが
私のうでを引っ張る



後ろを振り向くと
5人ぐらいのおばちゃん達が


「瀬川くぅ~ん!」

と言いながら追いかけてきていた



瀬川くんは私を引っ張ったまま
外へでる


「はぁ


ここまで来れば大丈夫かな」

瀬川君がふぅと
一息つく


外に出ると少し冷たい風邪が

気持ちよかった


外だとさっきまでのお客様達の
うるさいガヤガヤが遠くの方に
かすかに聞こえるだけだった



「あ


ごめんね

道連れにしちゃって」



「いえ!!!!


全然!!!


それより瀬川君の
方が大丈夫ですか?」



さっきよりすごく疲れてる
ように見える



「うーん

怖かった…


おばあちゃま達
こんな形相ではしってくんだもん!!!」


瀬川君がおばあちゃん達の顔を真似する





瀬川君のその姿に
思わず爆笑してしまう


「にてる!」


私がそう言うと


「やった―!」


と無邪気に笑う


かっこいいだけじゃなくて
面白くて可愛いいんだなぁ…