「ね―

聞いてる?!」



お嬢様が口を尖らして
怒った口調で俺に言う



「あ―

はい聞いてました」


「いやいや

聞いてなかったでしょ」



「…はい


少し考え事をしていて」


「ふ―ん

何考えてたの?」


「いや別に

大丈夫です」

「言えないんだ」

…その言い方はずるいかと


なんか俺
悪いことしてるみたいじゃん


「いや

姉の事で」


「あぁ!

結菜さん!!

綺麗でかっこよくて
優しくて私結菜さん大好き」

「え

優しい?どこが」


俺に対しては
全く優しくないんだけど…


「え―?

優しいよ!

久しぶりに結菜さんに
会いたいなぁ…」

「あ―

結菜結婚するから
なんか最近色々
忙しいみたいですよ?」


「結婚!

素敵~!

結婚式呼んで
もらえるかな―」

お嬢様が
目を輝かせる


「ご招待されると
思いますよ


お嬢様は結菜
のお気に入りですので」