白雪 美姫
19
大学生
お母様は人気の
ネイルアーティスト
お父様は大企業の
社長さん
「で?どうだったの―?!」
私の前で身を
乗り出して興味津々な
顔をしているのは
美姫の親友
三枝木恵
「も―
めぐうるさい!」
口に人差し指を
あててしっ―の
ポーズをすると
しゅんとして
席に座る
「それだけだから!
手繋いでもらって
ただけ!」
「え~
理解できない!
あんなかっこいい執事
いて何にもないなんて」
「執事だよ?
…そんな関係には
なりっこないの」
「ないの?」
私がうんとうなずいて
見せると
まだ納得いかない
様子でまだしゃべり続ける
「何のために
私がホラー映画
あんたに貸した
とおもってんのよ!
私の名付けて
“夏の夜、ホラー映画で
ひっつき大作戦"が!
無駄になったじゃん!」
「何そのネ―ミングセンス
それ名前つける
意味あんの?」
「は―な―し
をそらさないで!!!
よく聞いて!
あんたもう3年も
片想いしてんのよ?
進展しなさい
進展!
進展しないんなら
あんたのその美貌をくれ」
「金をくれみたいな
テンションで言わないで
あんたそれでも
本当にお嬢様?」
「あんたにだけは
言われたくないけどね」
「なんですって―?」
「あ―ら
何か言ったかしら―?」
「…何してんの」
後ろからちょっと
呆れたような低い声が
して振りかえる