――「…私には、心配してくれる人なんて…居ないよ…」――
「えっ…?」

「皆…私だけを置いて逝っちゃった…」

早く皆の所に逝きたいのに…

「ねぇ…?どうして…?どうして…?どうして…?どうして…?
なんで…邪魔をするの!!」

お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん、お姉ちゃんの所に早く逝きたいのに…


なのに… どうして、邪魔をするの…?

「…バイバイ…玲奈」

「咲良!!」

―ヒュ…

あぁ、やっと楽になれる…
そう、思ったのに…

――パシッ

………玲奈に片手をつかまれた…

「咲良…やめてよ…!」

「……放してよ…玲奈…私、重いでしょ…?」

「嫌だ!絶対放さない!」
「…お願いだから…放してよ…!」

「あたし、絶対放さないから!!」

「ねぇ…どうして…?
玲奈は私が嫌いなんでしょ…?
だったら、どうして…?」
「あたしには、咲良がかけがえのない存在だからッ!」

「…嘘だッ!
玲奈は私に死ね死ね言っているくせに……
そんな、綺麗事…!」

「嘘じゃない…!
今、気づいたのよ…!
咲良はあたしにとってかけがえのない存在だって!!だから…お願い!」

「……私ね…生きるのに疲れたの…
家でも学校でもひとりぼっち……
皆、私が死んだりしても悲しんだりしないよ?
だから…ね?
放してよ…!」

「嫌だ!嫌だ!嫌だ!絶対放さないから!!」

「玲奈…早く放さないと玲奈まで落ちちゃう…」

玲奈…ごめん…

――私はつかまれていない方の手で玲奈の手を放した…

―――ヒュ……


「咲良!!」

バイバイ…玲奈…

そして、ごめん…