――「やめて!咲良!!」

―…私が飛び降りようとした時…

聞き覚えのある声がした…



――玲奈だ…

……どうして…?

「やめて!やめてよ!咲良!!」

ドウシテ…

ドウシテ…

ナンデ、トメルノ…?

「……玲奈…」

「お願いだから、命を粗末にしないでよ…!」

「……よく、そんな綺麗事が言えるわね……
いつも、いつも私に死ね死ね言っているくせに……!」

「えっ…!?…っ…それは…」

玲奈はいつも、いつも私に死ねばいいって言っているくせに……
……今更…粗末にするなと言われても…




――困る…

「だいたい、玲奈は私が嫌いなんでしょ…?
嫌いならほっとけばいいじゃない…!私の事なんか…」

「嫌よ!確かにあたしは咲良の事は大嫌いだし憎いし…
だけど……」

「だけど……何…?」

「だけど、やっぱり咲良の事ほっとけなくて…でも、やっぱり、アンタの事は大嫌い!」

「ふ〜ん…なら、ほっとけば?
だって、今から死ぬんだよ?私…玲奈の憎くて大嫌いな奴が死ぬんだよ?」


――バシン

「いたっ……何するのよ!」

「アンタ、ばっかじゃないの!?
咲良が死んだら悲しむ人がいるのよ!?
それなのに…!
お父さん、お母さんだって!!命をなんだと思ってるの!?」

「…私には、お父さんとお母さん…居ないよ」