「吉沢は、もうちょっと素直になれ」


少し真剣な顔であたしに指をさす


「…はぁい」


「はい約束。」


和紀くんは人差し指から小指に立る指を変え、突き出してきた


なんで和紀くんはこんなあたしを心配してくれるんだろ…

なんで背中を押してくれるんだろ…


そっと和紀くんの小指に絡ませた


「俺は吉沢のこと好きだよ」


「…え」


思いがけない言葉が和紀くんの口から出た…


「まあ人間的にな、女とかじゃなくて」


焦ることなく笑顔でそう言う


(なにそれ…和紀くんって天然…?)