「‥気持ち悪いつってた人発見したと思ったら、男に絡まれてて、しかも1人だし‥危ないっつーの。何されるわかんねぇんだからさ」

「ごめんなさい‥」

「俺も悪い‥泣かす気はなかったんだけど、つい‥」

「ううん」

「‥ん」


そう言って、私から離れるお兄ちゃん‥

もうちょっと抱きついてて欲しかったなぁって思ってたりも。


―ヒュ~‥ドンッ‥

空には大きなはなび。


「花火まだ、続いてるね」

「だな」


花火を見つめる、私たち。

「…俺、姫花に嘘ついた」

「え‥?」

「今朝」


今朝‥?
嘘をついたのは私のほうじゃ‥


「‥本当は覚えてる」

「―へっ?」

「昨日のこと覚えてる」

「‥それじゃ、なんで言ってくれなかったの?」