「え、なんでって‥は、花火見に‥」

「なんで?」

「だ、だから‥」

「今朝は、気持ち悪いっつってたんに?」


あ‥‥、

やっと、振り返ってくれた、お兄ちゃん‥
けど、その顔は怒ってて‥


「あ、あれは‥」

「……」

「‥その」

「……」

「……ッ」


我慢してたはずの涙が出てきた。

うつむく、私。


「‥あ、れは‥ッ」

「―チッ」


―へ‥?

お兄ちゃん舌打ちした?
どして?


「ご‥ごめん、なさ‥っい‥ヒック‥」

「……」


ごめんなさい、ごめんなさい‥
だから、嫌いにならないで‥


「‥‥ヒック‥」

「…はぁー‥」

―ギュッ‥

「‥えっ?」


お兄ちゃんがため息をしたと思ったら、抱きついてきた。


「‥ヒッ‥」

「ごめん‥」


いつものやさしい声で謝るお兄ちゃん‥


「お兄ちゃん‥?」