「お、お兄ちゃん‥―ひゃっ!?」
お兄ちゃんは何も言わず、私の手首をつかみ歩き始まめた。
「ちょっ‥お兄ちゃんっ早いよっ」
お、怒ってる‥?
さっきだって、お兄ちゃんのあんな声聞いたことない‥
「‥どこ、行くの!?」
私が話しかけても答えてくれない‥振り返ってもくれない‥。ただ、歩くだけ。
「ねぇ‥ってばぁ‥っ」
歩くの早いし、疲れるし‥冷たい‥。涙が出そうになる。
だだ聞こえるのは、人達の楽しそうな声と花火だけ‥
ねぇ‥お願いだから無視しないで‥
そして、やっと歩くの止めてくれたお兄ちゃん。
着いたのはあんまり人のいない橋だった。
けど、やっぱりこっちを振り返ってくれない、お兄ちゃん‥。
「お、兄ちゃ‥」
「―なんで、いんだよ?」
聞こえてきたのはさっきの冷たい声‥―