「…そんなわけないじゃないの。

お父さんはリストラされたんだから」


『でも、仕事を探して面接受けてる』


「そんなわけない…」


俺の言葉を頭から全否定しているお袋を支える。

『疲れているだけだ。

今日はもう寝ろ』



親父は夜遅くにしか帰ってこない。

それが本当に浮気なのか俺は知らない。


俺はお袋を寝かしてから穂乃香の部屋に行った。


『穂乃香。
入るぞ』


「……ヒック…お兄ちゃん。
お母さんは私のこと嫌いなの??」