それからほどなく下に降りていくと、何もない空間に出る。

その中心には一筋の光が差し込んでいる。

「……あれが、聖剣?」

その光に照らされる、地面に突き刺された古い剣。

ワイズとシルクはゆっくりと聖剣に近づいていく。

「……ようやく、そろったな」

すると、ふいに後ろから声が聞こえてきた。

シルクが振り返るとそこには、白い袴を身に纏い、左脇に日本刀を携えた男がいた。

「紹介しよう。彼が厳冬の大陸王サスケだ」

サスケはゆっくりと近づいてくる。

目と鼻の先だというのに足音がない、その所作一つでサスケがただ者ではないことが分かる。

「ふむ。見えはしないが良い瞳をしているな」

サスケはシルクの方を向きそう言った。

サスケは目を開かない。

「目が……見えないのですか?」

シルクの声色にサスケが小さく微笑んだ。

「ああ、私は盲だ。だが戦いに支障はない。君が気に病むことなど一切なかったよ」


すると急に足音が増える。

それと同時にタバコの匂いが辺りに漂う。

「なぁに仲良しこよししてんだよ。さっさと儀式とやらを始めようぜ?」

「……ソフィア」

聖剣の元に4人の大陸王がそろった。

4人が囲った聖剣が怪しく恍惚に光っている。