放課後、あたしは



屋上にいた



杉下くんはさっさと帰ってしまっている



あたしはというと、


ここで待ち人をしているのだ











「待たせてしまいましたか」

背後から突然声をかけられる

時間ぴったりだ


「ううん、待ってないよ!全然!」














「ほうほう、そうでしたか」

あたしは、


一通り自分の近況と



浮かび上がった疑問をはなした




「うん…」




「…で、貴女は私に答えを求めている訳では…ないようですね」




やっぱり、

全部お見通しかぁ、

そう


君なら、きっといまあたしに必要なことを教えてくれると思ったんだ。



「自分でみつけないと…」



やんわりと笑ってくれた君に笑い返すと


君は長い黒髪をかきあげていった