―優―



「辰馬さん!!!」


辰馬さんを見つけ、叫んだ。


「よくここがわかったな。」


辰馬さんは笑って俺に言った。


「ここは…辰馬さんが作った初代angelsの溜まり場だった場所だ。だいたい想像がつくよ。」


俺は拳を握って、辰馬さんに殴りかかった。


辰馬さんは俺の拳を受け止めた。


「いきなりどうした?」


「とぼけないでよ!!理恵ちゃんを刺したのも…愛ちゃんを誘拐したのも…全部辰馬さんの差し金でしょ!!」


俺は辰馬さんを睨み付けた。


「そうだが?言ったよな…俺は何でもすると。それだけじゃないぜ?関西にも2人送り、朝宮 涼風にも1人送った。荒西にはこれから直々に挨拶に向かう所だ。」


辰馬さんは剣を取り、俺に斬りかかる。


後ろに下がって避けた。


「薫も涼風さんも楓も玲央奈君もやらせない!!」


俺は辰馬さんに向かって構えた。


「いいのか?俺は三浦 愛を手中に収めている。殺すのは簡単だ。」



愛ちゃん…。


そんなことやらせない…!!


「簡単な話だろ優。お前が俺につくか…それとも…あの子を見殺しにして俺に歯向かうか…その二択だよ。俺の能力を忘れた訳じゃないだろ?」




でも……俺は……。



「どちらか選べ。俺につけば三浦 愛の命は約束してやる。だが…つかないとなると人質の意味を成さない。よって三浦 愛は殺す。」



俺は……。



――――――――――

『私も薫も強いから優君の前から消えたりしないわ。』

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俺は……!!


拳をおもいきり握りしめた。


すると爪が肉に刺さり、血が流れていく。




















「……わかった……。辰馬さんにつくよ……。」



そう言うと辰馬さんは剣を背中のホルダーに戻し、タバコを吸い始めた。