―『お前はあのカスに負けて弱くなった。お前の極上の魂も…今じゃ何の魅力もない。たかだか一度負けただけでここまで弱くなるとはな。もうお前への興味が薄れてきたよ。そのまま殺されるなら殺されろ。
合わなかったんだよお前には。
この俺様の力は今のお前にはもったいない。
力が欲しいならやるよ。有り余る程の狂気をな。』―
ドクンッ…!
アビルの最後の一言で理性が弾けた。
イライラする。
このくらいの奴にコケにされる俺も…
弱くなったと罵倒される俺も…。
俺は何だ…。
「ちっ…!」
由莉恵は俺の腕をトンファーで殴って脱出した。
「いきなり動きが変わりましたね…。でも…!」
さっきの倍のスピードで由莉恵が俺に向かってきて、トンファーを振りかぶる。
そのままトンファーを勢いよく振り下ろし、俺の両肩に当てた。
「…うぜぇ…。」
由莉恵の両腕を掴み、由莉恵の腹を力強く蹴った。
「ガハッ…!」
俺はそのまま蹴り続ける。
うぜぇ…うぜぇ…うぜぇ…うぜぇ…うぜぇ…。
何で俺がこんな奴相手にコケにされなければいけない…。
腕を離すと、由莉恵は力なく倒れた。
うぜぇ…。
こいつが息をしているのも…こんな仕事をしている俺も…。
俺は由莉恵の首を掴み、そのまま持ち上げた。
腕は真っ黒に染まり、漆黒が体を包んでいく。
「かっ…ぐぅ…」
由莉恵は俺の腕を掴んで抵抗する。
また地面に叩きつけ、持ち上げる。
「抵抗すんなよ。お前みたいな俺を悩ますザコは消え失せろ。」
由莉恵を壁に向かって思いっきり投げつけた。
「ガハァッ!!」
また由莉恵は力なく倒れた。
消えろよ…俺を悩ます物全て…。
そうだ。
壊せばいい。
この世界を全て…この力で壊す…。
もう何もいらない…。
俺もこのまま…
死ねばいい……。