「……おい!いつまで
待たせる気なんだよ!!」 下の玄関から待ちくたびれた諄の声が聞こえる。
「あとちょっとー!!」
私は必死にコテで髪の毛を巻きながら
下に向かって叫ぶ。

毎朝こんな感じで私の朝が始まる。

私は検見川高校に入学した1年生☆
検見高は特進科と体育科に分かれてるが,スポーツ分野で有名な学校だ。
諄がこの高校に通ってるから,私もこの高校にしたんだ。
もちろん,スポーツが得意でもない私が検見高に入るには勉強しかなく, カテキョ5人と塾に通って受かったんだ!


なぜ諄と同じ高校に行きたかったというと!

諄が好きだから♪
小さい頃から諄のことが大好きなの。

「ごめんごめん!」
手を合わせながらバタバタと階段を下りていく。
「毎日のことだし,慣れてるけど」
この,はにかんだ顔が好きなの。

今さらだけど,毎朝こう一緒に登校できるのは幼なじみの特権だ。
神様に感謝しなきゃ。

だって…。
諄を好きなのは私だけじゃないから。