ずっと憧れてた恋…──。
当たり前に手を繋いで、
当たり前に抱き合って、
当たり前にキスをして、
当たり前にケンカして、
当たり前に仲直りして、
当たり前に触れあって、
私は、普通に恋愛をして結婚して子供を産んで孫の顔を見て、おばあちゃんになって死んでいくんだと思っていた。
貴方に出会うまでは……
結局、私達はこうなっちゃったけど、私は後悔なんてしてないよ。
後悔なんてできない。
当たり前なんてないし、普通だってないんだって教えてくれた。
普通がどんなに尊くて、
普通がどんなに嬉しくて、
普通がどんなに幸せで、
普通がどんなに凄いことか…
私は十分に幸せだったって言える。
貴方の愛してるの言葉だけで…───
第一章:不思議な声
あなたの声…
きっと、忘れない。
1925…
1925…
1925…
目を凝らして4ケタの数字を睨むように見ていた。
「あ、あった…」
何度、確認しても私の番号で間違いなかった。
歓喜のあまり周りの音や歓声が耳に入らなくなった。
3月中旬。
私は高校の合格発表に来ていた。
周りが嬉しさや悔しさで泣く中、
『合格したよ!』
悴んだ手で鞄から携帯電話を取り出し、母や友達に合格の報告メールを送った。
ほっと胸を撫でおろして携帯をパタンと閉じた時だった。
───よかったな。
突然、唐突に聞こえたその声。
周りをキョロキョロ見回してみても、私に話しかけている様子の人はいなくて。
ハテナを頭に浮かべて首をかしげる。
でも確かに男の人の声が聞こえた。
聞こえたというか、頭に響いたような感じで。
気のせい…かな…
受験勉強で最近は寝不足だったし。
うん。
今考えると、不思議な声の始まりはこの時だった。
……もっと早く気づいていれば、幸せな時間はもっと長かったのかな?
もっと貴方を感じていられたのかな?
「なつきぃ~本当によかったね!」
「ありがとう」
駅近くの喫茶店。
向かい合わせに座る大親友の麻子(あさこ)が涙ぐみながら私の高校受験合格を喜んでくれた。
本当はもうひとり仲のいい友達な花菜も来るんだけど、言いたくて先に言っちゃった。
でも私と麻子と花菜はそれぞれ違う学校に行くことになるんだよね…
頭の良さがみんなバラバラだから、仕方ないけど。
別々の高校に行くのは、相当やだ!
花菜は美人で頭も良くて完璧な女って感じでうらやましいし。
麻子は姉御肌で頼れるし、相談とかよく乗ってくれる。
私は……
二人からすれば甘えたちゃん。
お子ちゃまなんだろうね。
よく言われるし。
「やっぱり高校生と言ったら、恋愛っしょ?夏希はいい人見つけた?」
「まだ入学もしてないのに…麻子は気が早いよ」
私は合格したってだけで胸がいっぱい。
そりゃあ…確かに、高校生の恋愛には興味あるよ?
マンガみたいなキラキラした恋愛。
キスとか、制服デートとか…
色々憧れることある。
私も、そうゆうの体験していくのかな…
「夏希は甘いね~。入試と合格発表でいい人は目つけとかなきゃ。イケメンはすぐ取られるよ?」
「そう言う麻子はどうなのよ…」
そう言った瞬間に麻子の目は輝きを放ち、私は聞いたことを後悔した。
いや、聞くまでもなかった。
「私が獲物を逃すとでも思ってるわけ?」
「なになに?何の話し?」
そう言ってお待ちかねの花菜が麻子の隣に座った。
いいタイミングでの登場。
花菜のなんとも絶妙なタイミングでの登場に私は心の中で拍手をした。