冬休みはあっというまにやって来た。

二学期が終わる終業式。教室はざわめいていた。

「明日から冬休みー」

夏希はうれしそうに跳び跳ねる。

「夏希はデートづくしでしょ?」

冗談まじりに私は言う。

「明日からさっそくデートっ 」

笑って夏希は言う。

そんな夏希は輝いていかにも幸せですといわんばかりだ。

「そう言う真帆は?デートしないの?」

「うーん…夏希ほどはしないよ…」


静かに私は答えた。

正直そこまで約束はしてないから。

デートしようなとは言ってたけど…

詳しくは決まってない。

「まーほっ ちゃんとデートしなよ?もし無理なら私と慶太で協力するよ?」

そう言って夏希は私の肩をたたいた。

「うん 大丈夫 ありがとう」

なるべく迷惑はかけたくないから遠慮する。

「じゃあ帰ろっか?」

先生も教室から出ていき教室に残っている生徒はわずかだった。