でも、そんな日に限って車掌さんがいるわけで…。


よりによって…その日はなんと満員電車!

いっつもは座れるはずが…あたしの特等席には人がいた。


普段の電車なら、乗る人が毎回ほとんど同じで…みんな、毎回同じ席に座ってるから…自然に自分の特等席が決まってくるんだ。




だけど、今日は座れない。


仕方なく立って乗っていたら……


「乗車券お持ちでないお客様……」


えっ?!あの車掌さん!?
なんでノーメイクの日に…

しかもこっち来るし!

仕事だからそりゃ来るけど!
ヤバい!!超心臓うるさい!


はずかしくて下を向いしまった。


――どんっ!


痛っ…

誰かにぶつかってしまった。
誰よ〜…


「すみません!大丈夫ですか?」

車掌さんだった。

「え…あ……はぃ…」



あたしはそれしか言えなかった。

接近するだけで心拍数あがるのに…


今ぶつかった!?

ってことは…触れたよね?


そう思ったら、あたしはもう茹でだこ状態。




その日の朝は一生忘れない朝になった。


寝坊してよかった♪





.