いきなり手を上げたと思うと、その手は真っ直ぐ美那香の頬めがけてとんできた。

バチッ…

「っ…」

痛くて痛くて声すら出なかった。

ただ単に…怖かった。

顔もわからない人に殴られる。

暗い倉庫らしいから、たぶん人なんて通らない。

もう美那香は…。

意識が遠のきそうになった。

「今日はおしまい。また明日、キモ山に連れてきてもらおうかしら」

いきなり立たされ、外へ出された。

「っ…」

眩しい夕空だった。