私はその日、部屋の片付けをしていた。

パサッ

「ノート?」

あぁ、昔つけていた日記だ。
懐かしいな。

『4/8』

一ページに並んだその文字を追う。




読み進めていき、目には言ったその言葉…


『5/26
好きな人が出来た。
同じクラスの多田君。』


好きな人………




―――

好きだ。
好きだ。
多田くんが好きだ。


好きになるつもりなんてなかった。

イジワルなこと言う多田くんも好きだ。

寧ろその方が話せるから良い。



「古城~」

私の名前を呼ぶ声が…

「バーカ」

そんなこと言う貴方が

「何を~~!!多田君のがバカっ」

好き。大好き。





私の想いはもう限界。


多田くんに好きな人がいるのは知ってる。
嫌われてはないんじゃないかそう思う。
だけど…やっぱり…。





ドキドキドキドキ。

もう…ギュッと心臓を捕まれたかと思うくらい
苦しい。


私の想いはちょっとした弾みで消えてしまうんじゃないかって
怖かった。





『大事な話があります』

短いメールを送る。





返信くらい返せよバカ!


特に…今日は…ね。


すごくすごく怖いんだから。
ドキドキ越えてギュッって感じなんだからね!



『何?』


ついに…来た。










『好きです。付き合ってください。』


ああああ……



もう嫌だぁぁぁ!
だれか助けて!辛いよ!



怖いよ…。









「うひゃあっ!!」

な、何だ携帯の受信音か…
って
き、きききき来た。



携帯を持つ手が震える。



『イタ告ですか?』


イタ…え?
イタズラ?え?
違っ…。


『ちがう』













『ありがとう。でも、好きなヤツいるから付き合えない。ごめんな』



嗚呼…知ってたの…貴方に好きな人がいること…


それでも告白したいと願った私が悪かったの。




『うん。わかってたから別に…ね?
じゃあね』


ポロポロと目から水滴が零れ落ちる。


私、泣いてるんだ。


そう言って実感する。





私は…そんなに好きだったのかな?