しかし、外ではまだ野犬達がドアに体当たりを続けている。

 ドンドンドンガリガリッ……

 〈ワンワンワンヴーーーッ〉

 それから暫く野犬達は外で唸り声を上げていたが、何処かへ去って行ったらしく静かに為った。

 良平は、外へ出て又野犬に襲われては大変なので、暫くはこの屋敷に身を潜める事にした。

 良平が部屋の奥へ行こうとすると、部屋の奥から物音が聞こえてきだした。

 ガサガサ……ゴソゴソ………

 良平が、慎重に近付いて行くと、そこには壁にほげた穴から入って来ようとしている野犬の姿が有った。

 「ひっ……」

 良平は、小さく悲鳴を上げ慌てて近くの棚やテーブルを押し付け穴を塞いだ。

 そして、良平は念のために屋敷中を見て回り、他に入って来そうな場所が無いか調べた。