「確かに常に危険は付き

ものだし、凄惨な現場に

行き当たって嫌な思いを

することもある。翔ちゃ

んが心配してることは知

ってるけど、やっぱり婚

約者が刑事って嫌?」

翔ちゃんは首を勢いよく

横に振った。

『ごめんなさい』

翔ちゃんが小さな声で謝

った。

「何で謝るの?それより

さ、お腹空いた」

『あ、そうだ。冷めちゃ

う』

誰が作ったって同じ味の

はずなんだけど、翔ちゃ

んが作ると特別おいしく

感じる。

「おいしい」

『お茶漬けくらい誰でも

作れるよ』

「誰でも?」