仕事を終えて、マンショ

ンの鍵を開けるとリビン

グの明かりはまだついて

いた。

『あ、おかえりなさい』

「先に寝ててよかったの

に」

『片付け物してたら遅く

なったんだもん』

「翔ちゃんは片付けに夜

中の3時までかかるの?



『……』

困ったように黙り込んだ

彼女を後ろからギュッと

抱きしめた。

『かず?』

「俺のために起きててく

れたんでしょ?いつもあ

りがとう」

顔は見えないけど、耳が

赤くなっているからきっ

と顔も真っ赤なんだろう

なと思う。

『お、お風呂沸かそうか

?』