仕事中はどんなに無理を

しても平気なのに、体は

正直で、一度横になると

一歩だって動けない。

どれくらい眠ったんだろ

う。聞き覚えのある足音

が聞こえてきて翔ちゃん

が帰ってきたことが分か

った。

『かず、風邪ひくよ』

翔ちゃんが近くにやって

くるのが気配で分かる。

もうその時は完全に目が

覚めてたけど、寝たふり

をする。

すると、翔ちゃんが毛布

をかけてくれる。俺は翔

ちゃんの腕を掴んで引き

寄せた。

『わっ』

翔ちゃんが俺の上に倒れ

こむ形になった。

「おかえり」

『かず、起きてたの?』