美幸の口が開く。

「はっしっもっとくーん。ね?本当だったでしょ?」

 美幸と愛の視線は私の後ろに向いている。

 ギギギギギィ

 首を後ろに向ける。

 そこには真っ赤に顔を染めた橋本君がいた。

「い……いつからいたの?」

「最初からいました……」

 ボンッ!

 ごめんなさい。

 その後の記憶はありません。

 美幸のキャーッて声と、誰かに抱きしめられたのはなんとなく覚えています。