その表情が本当に悲しそうで。




「そ、そんな顔すんなよっ!悪かった。ちょっと精神統一を…」



歳三はぐしゃぐしゃと馨の頭を撫でながら懸命に弁解する。




そんな表情、見たくない─…




「精、神…?」



突如髪を撫でられたことに驚きながらも、歳三を見上げ首を傾げた馨。




一体、何をわけわかんねぇこと言ってんだ俺は!!!!!!!!



「あー…いや、何でもねぇ、うん」



歳三は頭をガシガシと掻き、視線を泳がせながら言葉を濁した。



っていうか何で俺こんな…七つも年下の女の機嫌とろうとしてんだ…?

別にこんなに気にするようなことじゃ…



と思いながらも、そんなこと口に出来るわけもなく



「えっと、何だっけ?この辺に住んでるか、だっけか?」


「あ、はい」



と話を本来の方向に戻す歳三。馨もコクンと小さく頷いた。