窓を覗き込み、地を見下ろした。


『ここから落ちたら死ぬのかな…』

そんなことをふと思う。


でも、私は、、、



死ねないの。












私は、最低な人間だ。











『死にたい』

その気持ちは消えぬまま…

私は、20歳になった。








体の調子が悪い日が多くなった3月末………




『妊娠したのだろうか?』
そう思い、彼と一緒に産婦人科に行った。






診断の結果、妊娠はしてなかった。
ホッとした思いとこの体調が悪いのは何だろう?と疑問が残ったまま、帰路に着いた。







ベッドに横たわり心配してくれていた友達に報告する。


それと同時に彼の知り合いで産婦人科で働いている人に症状を伝え、当てはまる病気を挙げてもらった。

友達から『よかった』と安堵のメールが来た。

そして彼から『子宮筋腫じゃないか』と知り合いからのメールを基にメールが来た。


『子宮筋腫』

高校生の時、生理不順がひどく保健の先生から渡された本に書いてあったのを思い出した。
症状も当てはまるものが多く、私は子宮筋腫だと思い込んだ。






でも、、、

2週間経っても体調は悪いまま…


私はもう一度産婦人科に電話した。


すると『話したいことがありますので一度来てください』と院長先生から言われた。


戸惑う私に院長先生は優しく『大したことじゃないので大丈夫ですよ』と告げて電話を切った。



私は次の日彼と一緒に産婦人科を訪れた。



順番が来て、診察室に足を踏み入れ、先生に軽く会釈し、席に着こうとした時、


私の病状が告げられた。



『この前来た時にがんの検査もしたんですが、、、がんの疑いがあります』



私は『がん』=『死』という言葉だけが脳裏に浮かんだ。



私は先生の目を見たまま、動かない。










先生も私の目をじっと見つめ、私の病状について説明を始めた。


先生によると私は子宮頸がんの疑いがあるらしい。
今の段階では、悪くなるか良くなるかわからないので2.3ヶ月に1回の定期検診が必要だと私に告げた。



20歳の私には無縁だと思っていた。
まだがんではないけれどいつ悪化するかわからない…

先生はただ、早期発見でよかった。一緒に頑張りましょうと私に何度も言った。







ベッドに横たわり、考えるのは『がん』のことばかり…




悪くなった時のことを考えた。

『死んだら…どうしよう?』

『やりたいことまだたくさんあるのにな…』

家族、友達、彼氏、仕事、夢、、、たくさんのことを考えた…

そして、たくさんの涙がこぼれた。



『生きたい………………』




私はボソッとつぶやいた。