翌日、私は命日に出た。



黒いスーツを母から借りて
朝早く家を出た。


がりっ


【三棟家】

そう書かれたお墓を前に
座る。


そこに、濫が大好きだった
あたしの手作りケーキを
おいた。


「かなすげぇ。パティシエ
 になれんじゃねぇ??」

「んな大げさな!」


ボケと突っ込みをしていた
ころことを思い出す。