とぼとぼと歩いて
女子更衣室の扉を開けた
「あ、綾香ー」
「大変だったね、部長さん」
苦笑いで私に声をかけたのは
マネージャーの鈴野 綾香
「聞こえてた?」
「もうバッチリと…
先生の声おっきいもんね」
私は柔道着に着替えながら
綾香の手元を覗いた
「なにやってるの?」
「これ、このあいだの
試合の結果をまとめてんの」
「へぇー…」
「優月のとこだけ凄いよ
男子相手に10戦10勝」
うっ…
また微妙な記録を作ってしまったよ…
「さすがエース」
綾香は苦笑いで更衣室を出て行った
「…嬉しいような悲しいような…」
はぁ…と
私も溜息をついて
更衣室を後にした