お風呂に入る前に
さっきのお弟子さんを含めた
3人が自分達の寮に戻ろうとしていた
(うちの道場に弟子入りしている人は
強制的に寮へ入り自炊生活。
そして交代交代で
うちにお手伝いに来てくれる)
「あ、ちょっと待って」
「はい、なんでしょう?」
1番体が大きい人が
返事をしてくれた
「えっと、さっき部屋に来てくれた人…
あ、あなた!」
ばちっと目が合った
「お嬢様…まだなにか…?」
怯えたように弱々しい口を利く
(…やば、言い過ぎたかも?)
ちょっとした罪悪感に襲われながらも
お弟子さんに謝った
「さっきは、ごめんなさい。
あなたに当たっちゃいけないけど…
話聞いてもらう相手がいなくて…」
それだけ言って頭を下げると
今度は焦りだしてしまった
「そ、そんなっ!
自分はお嬢様のお役に立てれば
それでいいっすから!」
「……本当?」
頭を上げてそう問う
「もちろんっすよ。」
と優しい笑顔をくれた
つられて私も笑顔になる
「それじゃあ、遅いんで
今日は失礼しますね…」
3人して顔を赤くしながら
家を出て行った