―ドサ




「……ぅ、うう…」




急に肩を掴む力が弱くなったと思ったら
男は呻きながら道路に倒れた



「えっ、え?なに、どういうこと?」



電灯も少ないこの通りは
男の顔もほとんど見えない

だから男が倒れた原因も
よくわからない




「…だいじょーぶ?」




どこからか聞こえた低い声




「だ、だれ!?」


「もう大丈夫だから」




声的に近くにいるんだろうけど
ぜんっぜん見えない



「…は、はなして…ください」



いつのまにか抱きしめられた私

でも、不思議と恐怖はない