「私には、内野コーチが必要です!また・・・また練習に来て下さい」


私は内野コーチに向かって深く頭を下げた。


「でも、俺はお前の良いところを見抜けなかった」


内野コーチはボソリと呟いた。


「見抜くとか、見抜けないとか、そんなの関係ないじゃないですか!」


私は内野コーチに向かって叫んだ。


「私は、内野コーチがいいんです!あなたじゃなきゃ、いくら褒められても嬉しくないんです」


「俺じゃなきゃ・・・だめ?」


内野コーチがじっと私を見つめた。


「・・・・・・で、っす・・・・・・」


自分が言ったことが、なんだか急に恥ずかしくなってきた。


目があっていることに耐えられなくて、私は視線を下に落とした。