「ということは・・・友梨にくっつくように走れば・・・・・・」


「そう、正解!スクリーンをかわすスペースが無いお前のディフェンスは、必然的にお前の後ろを走らなきゃいけないってわけ」


「す、すごい!!!」


内野コーチの言葉に、今まで抱いていた物足りなさがパッと晴れていく。



私は心の底から感動していた。

大切なことに気づかせてくれる内野コーチ・・・・・・。


「・・・・・・まあ、気づけたんなら良かったよ」


内野コーチはテーブルにコトリと、自分が持ってきたDVDを置いた。


「その、DVD・・・どうして黒さんは内野コーチに貸していたんですか?」


ふと、思っていた疑問が言葉となって口から落ちる。