その様子を見ていた友梨が私に話しかける。


「ねえ、心空。内野コーチ何かあったの?黒さんと心空の3人で話しをして戻ってきてから、ずっと沈んでてさ」


「え?」



内野コーチ・・・どうして?



私は3人で話したときのことを思い出した。


そういえば・・・黒さんはこんなことを言っていた。




『目先だけの練習だけを見て、選手を判断したらダメだ。だれでも苦手なところはあるだろう。光るところを伸ばさなきゃコーチは失格だ。お前はそれを痛いほど分かっているだろう?』




あの後、明らかに内野コーチは何かに耐えているような・・・辛そうな表情をしていた。


あの表情の裏に何があるのか、私は気になってしょうがなかった。




なのに・・・・・・




次の日から内野コーチは私たちの練習に顔を出さなくなった。