「この時、優勝した時はな、ラン・アンド・ガンで勝ったんだ。あ、ほら!ここから良く見てるんだ」


「はい」


私はテレビに近づきジッと見入った。


土根チームが相手のはずれたシュートのリバウンドをとる。

その瞬間、内野コーチが自分のチームのゴールに向かってダッシュをする。

そして、内野コーチに真っ直ぐ速いパスが送られる。


「す、すごい!!!」


敵チームのディフェンスはすべて内野コーチの後ろ。

内野コーチは後ろをチラリと確認しながら、ブワっと空に舞い上がり、ダンクを決めた。


「内野はプレーもそうだが、体力と足の速さはそれよりもさらにずば抜けていてな・・・そこは宮瀬に似ているだろう?」


黒さんは私にニッコリと笑みを向けた。